診療科のご案内
沖縄市ちばなクリニックのアレルギー外来担当 佐藤です。
今回は食物アレルギーについてよく質問される項目について、Q&A形式でまとめてみました。ご参考になれば幸いです。
不要です。アレルギー検査は、年齢や肌症状、食品の種類、血液検査の種類(一部のアレルギー検査では結果にかなりばらつきが出ることがあります)等によって、データの意味が異なります。「アレルギー検査陽性=食物アレルギーで食べられない」ということではありません。そのため普段食べられているものをあえて除去する必要はありません。
味噌や醤油などの大豆製品は醸造過程で大豆たんぱくが分解されているため、『味噌汁や醤油で口が赤くなる』というのは食物アレルギー以外の原因がある可能性があります。
アトピー性皮膚炎や湿疹、乾燥肌などの皮膚がデリケートなお子さんでは、口の周りにヨダレや汁もの、食べ残しが付くだけで赤みや湿疹が出ることがあります。口唇周囲をこまめに拭い、食事前後に軟膏(処方されている抗炎症薬やプロペト・白色ワセリンなど)で十分な皮膚ケアを行うことで、摂取を継続できる場合もあります(蕁麻疹が全身に拡大したり、咳や嘔吐がある場合は、速やかに摂取を中止してください)。
ピーナツにアレルギーがあっても、他のナッツ類は安全に食べられることがあります。ナッツ類は菓子や料理の隠し味に使用されることもあるので、アレルギー検査や食物負荷試験を通して食べられるものを見極めていくことが大切です(ピーナツ以外のナッツ類を食べられると、除去対応も少し楽になり、食事の幅も広がります)。
食物アレルギー自体が遺伝するというわけではありません。お子さんについては、園や学校・外食など自宅以外の場面で甲殻類が提供される機会があるので、食べられるかどうかを事前に確認しておくのが良いと思います。桜エビを粉砕したものや、カニかまなどから摂取をお勧めする場合もあります。
注)Q2~4.について:食物アレルギーは個人差の大きい疾患です。いずれの場合においても、医療機関で相談しながら摂取をすすめると安心です。
以前卵でアレルギー症状があったお子さんでも、加熱卵黄やつなぎ程度から食べられる可能性があります。ただ安全面を考えると、医療機関で相談しながら進めることが大切です。相談先ついて迷われている方には、アレルギー専門医が在籍している医療機関でのご相談をお勧めしています(全国各地のアレルギー専門医については、『日本アレルギー学会』のホームページからも検索できます)。
ただ、お住まいの地域によってはアレルギー専門医のいる病院が近くにない場合もありますので、その際はアレルギー科を標ぼうしている病院を探すのもよいかと思います。食物アレルギー診療を行っているかどうかについて、事前に病院のホームページ等を確認したり、電話で問い合わせをするのも良いでしょう。長く通院する場合もあるので、話しやすく信頼できる医療施設を選ぶことも大切だと思います。
受診のタイミングについては、基本的に早めの受診をお勧めしています。食物アレルギーの内容や程度によっては、早くから調整を行うことで早めに食べられるようになることもあるからです(食物を除去したままで年齢が上がると、除去することに慣れてしまい、食べるのを怖がるお子さんも出てきます)。
ご参考までに、当科アレルギー外来の診療の流れについて以下に掲載します。
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『アレルギーは100人いると100通り』ある疾患です。卵アレルギーにおいては、一部のお子さんで3~5歳前後に症状なく食べられるようになることもありますが、重篤な症状がある場合は数年単位の通院が必要になることもあります。ただ、卵でアナフィラキシーを起こしたお子さんでも数年で克服して食べられるようになる場合もあります。
アレルギー対応についてのご質問があれば、外来でお聞かせください。ご家族と一緒にお子さんの成長を見守っていければ幸いです。