アレルギーコラム:『アレルギー治療がうまくいかない時は…』

2022/06/01小児科

沖縄市の ちばなクリニック アレルギー外来です。
今回は、日々お子さんのアレルギー治療に奮闘しているご家族への応援コラムです。
(本記事はInstagram記事に補足して作成しています)

アレルギー治療がうまくいかない時は

アレルギーのお子さんをお持ちのご家族は、日々治療に取り組まれていますが、時にはうまくいかない時や落ち込んでしまうこともあるようです。
たとえば…

  • □ 喘息やアトピーが梅雨時期に悪化してしまった。
  • □ アレルギー食品を誤食してしまった…
  • □ 食物負荷試験でアレルギー症状が出てしまった…
  • □ こどものアレルギーについて、なかなか周囲に理解してもらえない。

…など。
『アレルギーは100人いると100通り』の疾患です。アレルギーのご家族同士でも、全く同じというわけではないため、相談しにくいこともあるようです(『〇〇〇をしてアレルギーが治りました!』という方法が、他の方には当てはまらないことも多いため、SNSやネットのアレルギー情報などにも注意が必要です)。

また、周囲から『食わず嫌いなんじゃないの?』『気にせず少しずつ食べさせたら良いのでは?』と言われてしまったり、『アレルギーがあると受け入れできない(あずかれない)』と言われてしまったりすることもあるようです。

アレルギー疾患のなかでも、食物アレルギーの経過は個人差が大きいのが特徴です。例えば卵アレルギーなどは2-3歳で治る(卵が食べられるようになる)お子さんも多いですが、小学校前後でも定期通院が必要な場合もあります。
『3歩進んで2歩下がる』で治療を頑張っている方もいます(気付きにくいですが1歩はちゃんと進んでます!)。 

喘息やアトピー性皮膚炎については、定期的に治療を続けていても季節の変わり目に症状が悪化することがあります。たとえば梅雨時期や夏の暑い時期、冬の冷え込む時期などです。前もって知っておくと、その時期の悪化にも早めに対応できることもあります。
この時期は丁寧に定期治療をおこないつつ、悪化した時は追加治療について主治医と相談しましょう。

できる範囲で焦らず

アレルギー患者さんのご家族は頑張りやさんが多い印象です。
先が見えず行き詰まってしまった時は、少し休憩が必要なサインかもしれません。
今回は、そんな時のアイデアを提案します。

疲れてしまった日の対応の提案
・お子さんの肌ケアを『いつもよりほんの少し簡単に(ちょっとだけ手抜き)』してみる。
・アレルギー食品を少しずつトライしている場合は、その日は無理せずに休む(※『経口免疫療法』で毎日摂取するよう指導されている場合は除外します)。
・『しんどい気持ちを書き出したら、すっきりした』という方もいました(SNSでも良いのですが、手書きもお薦めです。後から読み返して 勇気づけられたり、お子さんの進歩に改めて気づくこともあるようです)。
・忙しい中でも、10-15分は自分だけの時間を取ってみるの良いかもしれません。
・ちょっと美味しいものを食べたり、好きな音楽や動画で気分転換するのもお勧めです。

しんどい気持ちは、外来受診の際に遠慮なく聞かせてください。
当科外来にはアレルギー専門医の他に『専門看護師(PAE)』も在籍しています。
お困りのことがあればぜひお声がけください。